この記事を読むと、心の回復を目指すアダルトチルドレンや愛着障害の方々が、トラウマから解放され「幸せな元アダルトチルドレン」になるか、心の悪循環に囚われ続けて「不幸な永遠のアダルトチルドレン」になるかの分かれ道がわかります。
皆さん、こんにちは。『自分の心を育てる心理カウンセラー』月野瀬みさとです。
親からの傷つきを持つアダルトチルドレンでも、心の回復はできます。トラウマから解放され「幸せになるアダルトチルドレン」と心の悪循環に囚われ続け「不幸になるアダルトチルドレン」の分かれ道って、どこにあるのでしょう?
「回復の芽」を決して摘まない
心の自然治癒力「レジリエンス」
私達人間には誰しもが「レジリエンス」と呼ばれる心の回復力や自然治癒力を持っています。「幸せになれるアダルトチルドレン」は、その「回復の芽」を決して摘まずに栄養を与えます。
「不幸になるアダルトチルドレン」は、やっと出た「回復の芽」を自分で踏みつけ、引っこ抜いてしまいます。
では、どうすれば「回復の芽」にたっぷりと栄養を与え、すくすくと育てられるんでしょう?
答えはシンプル。「ありのままの自分」を愛すること。「どんな自分も愛情を持って受け入れること」を心理学では自己受容(セルフコンパッション)と言います。
「ありのままを受け入れる」と言うと、多くの方が「なら、できてます。自分はどうせこんなものだとあきめています」とお答え下さいます。確かに「ありのままの自分を受け入れること」と「自分に期待しないこと」は似ている気もしますよね。
でも、繰り返します。最も大切なポイントは、「あんた!そこに愛はあるんか!?」の部分であって、「愛情を持って」なのか「自分に呆れて」なのかは大違い、つまり、大きな分かれ道なわけです。
「愛を持って」がないと、回復の芽はしおれる
「自分への愛」は「回復の芽」にとっては草花にとっての水のようなもので、定期的に注いでやらなければ心は、枯れてしまいます。愛のない行為って具体的にどんなことなのかをあげてみましょう。
①自分を責める
②自分の言動や失敗を恥じる
③自分にあきれ見捨てる
④自分のままで人に愛されるはずがないと信じる
こうなると、「不幸になるアダルトチルドレン」にまっしぐらです。
「自分を責める癖」を「自分を愛する癖」に変えていく必要があります。「自分を愛する癖づけ」ですから、しつこく意識して繰り返しましょう。癖は繰り返すことで、脳には自分を大事に扱う神経回路が開通していきます。
「自分を愛する癖づけ」をする
コツ1、自分のことを受け入れる
過去の出来事で傷ついたのは、「自分が弱かった」からではありません。過去の出来事で苦しんだ過去の自分を否定せず、愛情を持って受け入れます。あなたがここまで頑張って生きてきたこと、自分の強さとしなやかさを認めてあげましょう。
コツ2、感情を認める
どんな自分の感情も「今、そう感じているんだ」と認めましょう。それを人にぶつけるかは別として、まずは自分で気持ちを認めてあげましょう。
コツ3、セルフケア
睡眠、栄養、運動は、愛情ホルモンと言われる心を穏やかにする物質を作り出します。アダルトチルドレンは自分の心と身体にガマンさせる癖が染みついています。意識して心と身体をケアしましょう。
コツ4、自分の「ニーズ」を優先する練習をする
自分の心と身体が本当は何を望むのかに、しっかり耳を傾けます。アダルトチルドレンは相手の気持ちを優先し自分の気持ちを抑え込む癖があります。本当の自分はどうしたいのかなって、自分に聞いてあげる習慣を持ちます。
コツ5、回復のための仲間を持つ
ここでいう仲間とは、「サポートグループ」のこと。誰にも言えなかった本当の気持ちを安全な場で表現します。安全な場になるには、ある程度の知識を持つ人がその場の環境を整えていることが条件。病院や自助グループ、カウンセリングなど、あなたの回復を応援してくれる人がそれです。
最後に
「自分の気持ちに聞いてあげる」って、心にまるで人格があるかのような表現ですよね。
これはパーツワークという心理療法のひとつ。感情を人格として尊重してあげることで、自分の心を粗末にしない「愛する癖」がつけやすくなりますよ。
自分の気持ちに意識がフォーカスできたり客観的になれます。
「インナーチャイルド」や「心の中のパーツたち(感情達)」はあなたの回復を促す大切なパートナー。セラピーではその感覚を繰り返し体験頂けます。
とはいえ、自分を大事にしよう、自分を肯定しようとすると、「罪悪感」や「反発」「居心地の悪さ」を感じることも少なくはありません。その場合には、かならず自分の中に理由があります。
そんな時こそ、自分を見つめるチャンスです。なにがあるから、自分の気持ちを尊重したり大切に扱ってはいけないとあなたが信じてしまったのか、そしてその信念の手放す方法を、私と一緒に探してみませんか?