この記事を読むと、子どもの時のことを想いだすと燻ぶり始める親への怒りに、どう向き合えば楽になれるのかのヒントが得られます。
みなさんこんにちは。『自分の心を育てるカウンセリング』心理カウンセラーの月野瀬みさとです。
子どもの頃の辛い記憶が浮かんでくると、「親を許せない」気持ちと「親を恨みたくない気持ち」の葛藤がに圧倒されることってありませんか?
アダルトチルドレンや愛着障害の人の根っこには「自分を粗末に扱われたこと」への強い悲しみと怒りが必ずあります。
「お母さん、どうしてわかってくれないの…」
「お父さん、どうしてそんな酷いこと言うの…」
理不尽な親の言動への「悲しみ」を抑え続けていると、やがて「怒り」に変わっていくんです。感情ってとても強いエネルギーなので、ずっと抱えていると、ガマンの重石も吹き飛ばす程の怒りに飲み込まれたり、自分でも圧倒され振り回されてしまいます。
今日はそんな「親への怒り」をテーマにお話ししたいと思います。↓動画あり
1.親への怒りのメカニズム
2.親を「許す」VS「許さない」問題
3.親への怒りとの付き合い方
親が許せない!この「怒り」どうすればいい?
怒りの感情のメカニズム
そもそも、怒りは5大感情の1つ。喜び、嫌悪、悲しみ、恐怖と合わせて、大切な感情です。怒りは、「理不尽な扱いを受けた」と感じた時に湧く自然な感情で、自分を守るために存在します。
「理不尽な扱いを受けた」と感じると、人の脳に「ノルアドレナリン」という物質がどわっとでます。すると、血圧があがって筋肉が緊張し「戦う準備」が整います。ただ、戦いには「反撃されるリスク」があるので、偏桃体という脳の部分が刺激され、ストレスホルモンがどばっと出ます。
これが「怒ってる」という状態。慢性的にこの「ストレスホルモン」にさらされると、自律神経が狂ったり、最悪の場合、脳が委縮するほど強力です。親への怒りが慢性化することは、心にも身にも優しくないでんですよね。
怒りと未消化の思い
カウンセリングで怒りの感情を掘り下げていくと、その背景には、いまだくすぶる怒りと親に植え付けられた「罪悪感」「虚無感」「無力感」などが紐づいていることがほとんどです。
「親に人生をぐちゃぐちゃにされた悔しさ」
「自分の人生を生きる意味がわからない虚しさ」
「親に共感されず、受け止められなかった淋しさ」
こうした未消化な思いと怒りは自然と消えることって実はなくて、ちゃんと感じて解放していく必要があるんです。
多くの人は怒りを「いけないもの」として抑え込むんで「ガマン」してのりきってしまいます。すると、怒りはただ潜在意識に潜り込むだけで、消化されず自分の中に溜まり続けてしまうんです。
未消化の思いと怒りは、時間と場所を変えて、ガマンの石を吹き飛ばすほど、あるきっかけで突然に爆発すとこと、覚えていてくださいね。
親への怒りは人生の一番しんどい時に吹き出してしまう
子どもの頃は、親の未熟で身勝手な言動の程度がわからなくても、大人になれば、当時や今の親の言い分が自分にとってどれほど望まないもので、残酷だったかも判断できるようになります。
親に感謝している部分があっても、いつまでも頑なに今までの態度を変えてくれない親。年々複雑になっていく人生の中で「生きづらさ」が強まると、相変わらずの親にたいして、自分ばっかりが「損をする」感覚がぬぐえない閉塞感から、なんとか誤魔化し続けてきた「親を許せない」気持ちが、人生の一番しんどい時に吹き出してしまうんです。
怒りには依存性がある
抑圧し続けた怒りが爆発すると、怒りを手放したくても手放せなくなる
怒りは、甘いものやお酒、スマホゲームなんかと同じで、「依存」に似た状態になることがあります。わかってるけどやめられない状態です。過度な依存が身を滅ぼしかねない点も、抜け出すには勇気が必要な点も、怒りと「依存」は似ています。
では、親への怒りが手放せなくなった時、わたしたちはどうすればいいんですようか?
親を許すべきなのか?
私の経験上、親が心から子供への言動の意味を理解して謝罪して、自分の行動を変えようと努力する姿を見た子供が親を許せないというケースを未だかつて見たことがありません。
多くの人から頂く「親を許すべきでしょうか?」というご質問には、切ないのですが、親は変わらないし今も親と関わると傷つき続けるけれど、自分の気持ちをなんとかなだめて親への怒りを水に流した方がいいでしょうか…という意味合いを含んでいます。
「許し」について、私個人の考えをお伝えすれば、「親を自然と許せるなら許せばいいし、それがムリなら許さなくていい」「怒りはムリに手放さない方がいい」と思っています。
「許さない」という気持ちを握り締めたい自分がいるなら、それさえも自己受容して欲しいんです。

それには幾つかの理由があって
- 親を許すには、許すだけの自分が納得できる理由が必要だからです。つまり、許すことの意味をハラオチさせられるか・・・ということですよね
- 今の生きづらさが弱まると、どっちでもよくなるから。心の回復が進めば、親への執着も弱まっていきます
- 回復の初期段階で、莫大な人生の時間とエネルギーを「親を許す」「許さない」と葛藤するよりも、心の回復と人生を豊かにすることに資源を集中して使う方がいいから。
- 感情は抑圧しないことが大事だから
感情は自然に湧くもの
感情って自然に湧くもので、禁止したり抑圧すると、よけいに強まることが様々な研究でわかっています。怒りを抑圧すると、怒りは消えずに二次感情と言うんですが、「罪悪感」「悲しみ」「虚無感」「無価値感」に形を変えて、またあなたを苦しめるんです。だから感情は抑圧しないこと。
今まで、みなさんも、親を何度も許そうとされてきたはずなんです。なんとか水に流したつもりでも、親子関係の捉え方は心の成長とともに変わっていくんですが、親はいつまでも同じ状態のままですよね。
あなたがなんとか抑圧して、ないことにしている地雷を、親は気づいていないので、何度も平気で踏みつけ続けてしまいます。あなたが弱った時にやっぱり耐えきれなくなって感情が爆発したり、怒りを再燃させてしまう経験も今まであったんじゃないですか?
「親への怒りはもう手放せた」と言う人の方が意外と危険なそのわけは?
怒りの感情を思う存分味わった上で納得できたと人と、ないことにした人とは大きく意味合いが違うので、ご自身が後者でないかはご自分の心をしっかり観察して頂きたいなって思うんです。
なので、私が個人的に1番健全な感情の扱い方だとオススメするのは
許す許さないかを決めることを先延ばしにする方法
だって、心が回復して、親への執着が弱まると、親を許すかどうかもどちらでもよくなって、結果的に許そうと思えば自然と許せる状態になるからです。
親への怒りに対する5つのアプローチ
- 「台無しにされた人生を巻き返してやる」と怒りのエネルギーを利用した”リベンジ”を誓う方法 これは一種の親への執着なので難易度が高い方法ではあります
- 「自分の尊厳をこんなに傷つられたんだから、自分は怒っていいんだ」と“開き直る”方法
これは意外と「優しい方」「怒りに罪悪感が強い方」におススメの方法です - 品性を問われそうですが、心の中で「親は最低最悪で、どうしようもないバカだから、親に何を言っても時間の無駄だ、どうせ親は変れないし、親なんて最低最悪のまま生きればいい。もう関わらない」と怒りの勢いを借りて“親の存在を見捨てる”方法
親との距離を一旦ひろげたい方に効果があります - 「怒りを相手に伝える」っていう方法
相手に自分の訴えを受け止めてもらうことは目的にせず、怒りをぶつけるのではなく、置いて帰る感じ。「これが私の怒りでございます。お納めください」って冷静に伝えて、親の反応はスルーです - 「どんな感情もあっていいよ」と徹底的に、自分に優しく寄り添い切る方法
実はこれが一番楽で心に優しい。怒りや悲しみの感情を紙に書けるだけ書きなぐる。自分の内側の感情を外に出し切る作業で、外在化って言います。親に渡さない怒りの手紙を書いたり、当時の喪失感を感じて泣いたり、カウンセラーや愚痴ききの人に気持ちを受け止めてもらうんです。回復の初期段階、第一ステージの避けられない「グリーフワーク」というプロセスで、とっても大事な作業です

最後に
怒りの感情はあなたを守るためにある心のアラートなんです。「このままじゃ危険だ」「戦え」「逃げろ」ってお知らせしているんです。「気づいてるよ」って認めて感じて解放すると、その役割を終えてくれます。
メタ認知と言いますが、自分が認知していることを客観的に把握することでもあって、こうやってひとつひとつ丁寧に「なぜ自分が怒ってるのか」をハラオチさせてあげると、アラートって気づいてもらうことが目的なので、必ず鳴りやんでくれます。
怒りを抑圧すると、全ての感情をのみ込むほどのエネルギーとの綱引きになってしまいますから、心と身体に負担になるほど苦しいですからね。ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてくださいね。
怒りの感情を感じたり、受け止めたり、解放することが、ひとりでは難しいと感じたら、ひとりで抱え込まず、是非、助けを求めてくださいね。あなたの生きづらさが緩み、自然体のあなたで生きられることを心から応援しています。

